コ ラ ム


◎六甲譜(第362号・2008年4月号) NO IMAGE

  日本では、四月は新しい出発をする月。本学でも、新入生四千五百五十人が入学してきた。野上学長は式辞の最初に、新入生とその家族に、お祝いの言葉を述べた。この時期は、本当に「祝」という言葉が、よく似合う

この「祝」という漢字だが、「兄」はお兄さんという意味ではない。「口」(=くち)という漢字に手を表している「ノ」と、体と足を表している「レ」の組み合わせで、神おろしをする巫女の意味だそうだ。何か超越した存在に祈りを捧げている姿といったところだろう。「示」は神へのいけにえと台を意味している。「示」が「口」になると、幸いではなく、人の災いを祈るということで、「呪」という漢字になる

こう考えると、昔から人というのは、超越的な存在に頼って生きていたことを感じる。他にも、幽霊話や呪いなど、目に見えない存在を意識した話が多い。科学が発達した現在でも、心霊写真などを取り扱ったテレビ番組が放送されたりする。人というのは、そういうものに惹かれる性質があるのだろうか

そんなことを冷静に考えると、人というのは、あまり思い上がれる存在でもないのだと思う。結局、目に見えない世界がないと言う人がいても、どこか信じている人がいるから、テレビ番組として成り立つ。つまり、人には、まだわからない世界があり、しっかりと客観的に見ないと、誤った見方をするのかもしれない

これから新しい生活が始まるわけだが、偏見を持ってみるのではなく、心を真っ白にして、捉えていくことが大切に思う。


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