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◎西田名誉教授らが
      新燃料を開発
  油と水の混合新燃料
  環境によく、効率も大
 
 

 本学の海事科学部の西田修身名誉教授らのチームが、船舶燃料などに用いられている、粘度の高いC重油と本来分離する水を混合できる特殊な乳化剤を開発し、新しいエネルギーの開発に成功した。「原油価格の高騰の現在に、化石燃料の新しい使い方を提示できる」と西田名誉教授は話している。
 今まで水と油を混合させた「エマルジョン燃料」は研究が進んでいた。含まれている水が先に膨張し、周囲の油を吹き飛ばすことで、油の粒子が小さくなる。このことにより、油の粒子の表面積が増え、油の燃え切りがよくなり、燃焼効率が上がる。すすも発生しにくい。
 また、水の影響で熱を抑制することができるので、NOxも発生しにくい。今回、西田名誉教授らが開発した燃料も、水を二十パーセント含むと、NOxが二十パーセント削減されている。
 今回の研究で大きな特徴は二つ。一つは、C重油に着眼点を置いたこと。C重油というのは、一般の油とは違い、不純物があり、非常に安い油。特に、船舶などのディーゼルエンジンに使われている。
 こうしたC重油で水を混合させた燃料を開発した研究は、今までにあまりなかった。C重油で成功することで、低コストにも関わらず、通常の油と同じ燃焼効率を得ることができた。
 二つ目は、油と水が分離しない乳化剤を開発したこと。無機系の乳化剤を独自に開発するまで、大変な研究費と三年という時間を費やしたという。
 西田教授は、「C重油は残り油のようなもので、これより悪い油はない。これを一般の暖房などにも有効利用することで、経済効果も得られ、環境保全にもつながる」と話す。

■CO2対策にも効果的
 一般的に、二酸化炭素は熱効率がよければよいほど、発生が少ない。熱効率がいいエンジンは船舶に使われているディーゼルエンジンだ。ディーゼルエンジンは安い燃料で効率がよく、二酸化炭素の発生が数多くの乗り物で一番少ない。だが、煤塵が多いのが難点だった。
 だが、今回の西田名誉教授らのチームが開発した新燃料は、この問題を解決する手だてとなる。
 西田名誉教授は、大胆な流通変革を訴える。「CO2削減というゴールを中心に考えた場合、極力高速道路を使わず、高速船を利用した流通を考えたほうがいい」と勢いよく語る。海に囲まれた日本の特徴を活かしたかたちだ。
 将来は、水素エネルギーなど、化石燃料の代替エネルギーが開発されてくるだろうが、それまでの間は、化石燃料をいかに環境にやさしく、効率よく使うかが重要であることを、西田名誉教授は訴えている。


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